2009/10/05

嘘つきって人を本当に不愉快にさせるものですが
最近観た映画での嘘つき野郎は愛せる嘘つきたちでした。
まず「ライフ・イズ・ビューティフル」
次に「聖なる嘘つき」
なぜかこの2作品。国も違う映画でありながらどこか似ています。
第2次世界大戦時のドイツ軍対ユダヤの民の物語。
「ライフ・イズ・ビューティフル」では愛する子供のために
徹底的に嘘をつきまくります。
最後の最後まで嘘をつきまくり
いよいよドイツ軍人に処刑されるときにも子供の前でおどけてみせ
笑顔で子供に別れを告げます。
あの最後の笑顔に心を揺さぶられました。
やがて彼の嘘は本当の出来事になるのです。
一方「聖なる嘘つき」では
生きる希望を見失い絶望が待ち受ける戦時下で
たった一つ、生きる原動力となったのは主人公の嘘による希望でした。
このようになってほしいという願いから嘘をついた主人公
同胞に対する愛でした。
それがユダヤ人の自殺を止めたのです。
彼の最後はユダヤ人が強制収容所に連行される時でした。
ドイツ軍の司令官に真実を述べるよう命令され脅かされます。
真実を述べればお前の命は助けてやると言われます。
でも、主人公は知っていました。
真実を述べれば同胞に失望を与えることを。
広場に連行された主人公はユダヤの同胞が大勢見守る中
ついに選択しました。それは無言でした。
無言にてドイツ軍人に対し笑顔で答えます。
それが彼の最後でした。
自分を守るためではなく他の人々の幸福のために嘘を突き通した主人公。
そんな彼らの真の勇気に乾杯