本当の君
2013/05/28

「じゃ、ぼくも愛なの?・・・」
「とうぜんだよ。自分自身のこと、指し示してごらん」
「よくわかんない、アミ」
「“ぼく”と自分のことを言うとき、自分の体のどの部分を指さして言っている?“自分”と言って指さしてごらん」
自然に胸の中心を指さして“ぼく”と言っているのに気がついた。
「どうして、たとえば、お腹や喉やひたいを、ささないのかな?」
胸以外のところをさしているのを想像したら、とてもこっけいに感じた。
「自分でも、どうして胸を指さしたかわからないや」
「なぜならね、そこに、本当の君がいるんだよ。」
「アミ 小さな宇宙人」エンリケ・バリオス著より